リビング和歌山7月号

その体の不調、
もしかしたら「睡眠時無呼吸症候群」かも


「いびきがひどい、と家族に言われる」「睡眠時間を十分取っているのに、いつも眠い」。もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群(SleepApneaSyndrome、スリープ・アプニア・ローム=SAS)かもしれません。SAS(サス)は眠っている間に無呼吸を繰り返す病気です。呼吸が10秒以上止まる状態が、1時間で5回以上、または一晩(7時間)で30回以上ある場合SASと診断されます。

その体の不調、
もしかしたら「睡眠時無呼吸症候群」かも


 質の良い睡眠を取ることで、脳や体はリフレッシュされます。しかしSASによって体内の酸素が不足すると、それを補うために心拍数が上がったり、脳が覚醒されたりと、睡眠時でも大きな負担が掛かります。その結果、日中の生活の質の低下はもとより、生活習慣病の罹患(りかん)リスクを高め、悪化させる一因にも上げられています。例えば、SASがあると、不整脈のリスクは4倍、脳卒中は3・3倍、高血圧は2・9倍、糖尿病は1・6倍に上がります。SASは睡眠中に症状が現れるため、自覚がない人も少なくありません。チェックリストで、まずは確認を。チェッが多いほど、SASの可能性が考えられます。

 受診や治療先は呼吸器科や循環器科、内科、睡眠外来などの専門医療機関などがあります。SASを確認するための簡易式検査や精密検査が行われ、その結果に応じた治療が開始されます。

 「CPAP(シーパップ)療法」はSASの代表的な治療法として知られ、治療機器を自分で装着する自宅療法です。シリコン製のマスクをセットし、睡眠時に空気を送り続け、気道を開きます。マスクを装着した状態で眠るため、ある程度の慣れは必要ですが、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病のリスクを下げ、良質な睡眠が得られます。保険も適用されるので、お悩みの方は専門医へご相談ください。

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