リビング和歌山8月号

発汗やアルコール摂取が原因
残暑で気を付けたい痛風発作

発汗やアルコール摂取が原因
残暑で気を付けたい痛風発作

風が吹いて患部に当たるだけでも痛いといわれる「痛風」。 足の親指の付け根や足首、足の甲、膝、手首、肘などの関節部に腫れや痛みが生じ、歩けないほどの激痛が、数日続くこともあります。



 痛風発作の背後には、血液中の尿酸値が高い「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。尿酸とは体の新陳代謝により発生する老廃物です。
この尿酸が体内で過剰に作られたり、体外に排せつされなくなったりすることで、血液中の尿酸の濃度が高くなります。 そして、血清尿酸値が1デシリットル当たり7・0ミリグラムを超えると、高尿酸血症と診断されます。 この状態が長く続くと、尿酸の結晶が関節などに沈着し、関節の炎症(痛風発作)が生じます。 また、腎障害や尿路結石などを引き起こしたり、動脈硬化を進行させて心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気につながったりすることも。


1日2リットルを目安に
水分補給を

 尿酸値を下げるためには、医師の指導の下、生活習慣の改善を行います。
「肥満を解消するために適正カロリーを守る」「プリン体を取りすぎず、アルカリ性食品を取る」「適度な有酸素運動を行う」などがあります。 また、「水分補給」も大事。年間を通して痛風発作が起きやすいのは夏です。 汗をかくことで尿の量が減り、尿酸が体外に排出されにくくなって血液中の濃度が高くなります。 またこの季節は、尿酸値を上げる原因となるアルコール(特にビール)や、清涼飲料水の摂取が増える傾向も。 初秋でも熱い日が続くときは、1日2リットルを目安に、積極的に水やお茶などを飲みましょう。 すでに痛風発作があったり、尿酸値が1デシリットル当たり8・0ミリグラム以上あったりする場合は、薬物治療も必要です。
 尿酸値が高くても自覚症状がない場合もあります。いつの間にか危険値を超え、ある日突然、痛風発作を発症し、激痛に悩まされることも。 そうなる前にかかりつけ医で定期的に尿酸値を確認し、高尿酸血症の重症化を防ぎましょう。

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