リビング和歌山5月号

要因を把握して痛みを回避
上手に付き合いたい片頭痛

要因を把握して痛みを回避
上手に付き合いたい片頭痛


 ジメッとした天候が続く梅雨。気温の寒暖差や湿度から、体の不調を感じる人もいるのでは。片頭痛も、この時期に挙げられる体調不良の症状の一つです。
 片頭痛は脳の血管が急激に拡張することで、頭の片側や両側にズキンズキンと脈を打つような拍動性の痛みが起こります。 発作は数時間から数日間に及び、吐き気を伴ったり、視覚や聴覚、嗅覚が敏感になったりすることもあります。 代表的な前兆に「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状があり、視界にチカチカと光るものが現れてから頭痛が始まることが特徴です。


 片頭痛の原因は、気圧や気温などの環境の変化、寝不足や寝過ぎ、飲酒、過労などによる生活リズムの乱れ、また、ストレスや女性ホルモンの関与など、体内外からの多様な刺激が痛みを誘発するといわれます。 発症年齢は10代後半から20代前後と若く、女性に多いことも特徴です。


発作の発症抑制を期待する注射薬も


 病院の治療には「急性期治療」があり、トリプタン製剤などの発作治療薬を使用して痛みの症状を和らげます。 また、頭痛の頻度を軽減させる目的の治療薬もあり、昨年に皮下注射薬の「エムガルディ」や「アジョビ」といった新しい注射薬が認可され、治療の選択肢が増えました。 脳神経内科や総合内科、頭痛外来などで取り扱っていますが、来院前に問い合わせを。

 治療と併せ、日ごろから発作の頻度や傾向、持続時間、痛みを引き起こす要因を把握することも大切。条件が重なるときは、なるべくその条件を回避するような生活を心掛けましょう。 軽い片頭痛なら、冷たいタオルで患部を冷やす、静かな暗い場所で休むなどの対処も。カフェインの摂取は、少量なら血管を収縮させる効果があるといわれます。 市販の鎮痛剤で症状を抑えることもできますが、使用過多は「薬物乱用頭痛」を引き起こし、頭痛をさらに悪化させることもあるので、注意してください。


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