リビング和歌山2月号

これからスギ花粉がピーク
ひどい症状の治療には注射も

これからスギ花粉がピーク
ひどい症状の治療には注射も


 3月上旬から中旬にかけ、スギ花粉がピークを迎えます。今年の花粉量は、昨年の約2倍にもなると予想されており、すでに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 花粉症には飲み薬や点鼻薬、目薬などで対処します。ただ、こうした薬を用いても治まらない重症な人には、注射による治療法もあります。

 鼻水や鼻詰まり、目がかゆい…などの花粉症の症状は、体が起こすアレルギー反応です。体の中に花粉が入ると、花粉を異物だと認識して、それを捕まえるIgE抗体が体内に作られます。 このIgE抗体が作られた後、さらに花粉が侵入してくると、今度は肥満細胞と結び付いて細胞からヒスタミンを分泌し、花粉をできるだけ排出しようとします。 これが、くしゃみや鼻水、涙などの症状につながります。



ヒスタミンの前段階、IgE抗体を抑える


 市販薬も含め、花粉症の薬は「抗ヒスタミン薬」と呼ばれますが、ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー反応を抑制し、花粉症の症状を緩和するものです。
 一方、近年、花粉症の重症患者に用いられている注射は、ヒスタミンができる前の段階となる「IgE抗体」に働きかけるもの。 「抗IgE抗体」の作用をもち、注射することでIgE抗体が肥満細胞と結び付けなくなって、アレルギー反応を起こすヒスタミンが作られることを防ぎます。 月に1回程度の注射ですみますので、薬を飲んでいるのに症状が治まらない人などは、検討するのもいいかもしれません。
 ただし、この注射の対象年齢は12歳以上。さらに、いくつか条件があり、血中のIgE抗体量を調べる必要があります。 IgE抗体が少なすぎても、多すぎても対象外となり、また体重も適応範囲があります。IgE抗体量と体重により投与する量が決まり、費用も変わります。 また、この治療ができる施設にも条件があるので、耳鼻科かアレルギー科で尋ねてみてください。


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