リビング和歌山3月号

花粉シーズンに多くなる
アトピー咳嗽

花粉シーズンに多くなる
アトピー咳嗽


 春は花粉症が多くなるとともに、喉がイガイガしたり、乾いた咳(せき)が長く続く「アトピー咳嗽」も多くなる季節です。 これはアレルギー反応による咳で、春や秋など花粉症が多くなる時期にだけ咳がよく出るようになる人は、アトピー咳嗽が疑われます。

 実は、今の時季はぜんそくの咳も悪化することが多く、診断が非常に難しい場合があります。症状の違いとしては、ぜんそくの大きな特徴は「喘鳴(ぜいめい)」があること。 呼吸をすると胸が「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と鳴るのが「喘鳴」です。
一方、アトピー咳嗽には、こうした喘鳴はなく、息苦しくもなくて、また、たんも絡まない乾いた咳が続くのが特徴です。 どちらの“咳”なのかを判断するのは難しいのですが、両者では治療方法が大きく異なります。


咳の特徴をよく知って専門医を受診して


 ぜんそくの治療には、吸入ステロイド薬を用いますが、その薬に「気管支拡張薬」が含まれます。気管支拡張薬は気道の緊張を緩めて拡張させ、空気の通り道を広げて息苦しさを軽減させる役割がありますが、アトピー咳嗽に気管支拡張薬は効果がありません。 アレルギー反応なので、抗ヒスタミン薬を使うアレルギー治療に重点をおきます。
 ぜんそくとの診断で治療を続けていても症状が治まらないときには、治療方針を変えてみると効果がある場合も。また、アトピー咳嗽とぜんそくの悪化が合併して起こる場合もあり、さらに診断は複雑になります。 咳が長く続く場合は、呼吸器内科の専門医を受診しましょう。日頃から、自分自身の咳の特徴をよく知っておくと、診断に役立ちます。(上記チェックシート参照)


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