リビング和歌山4月号

今年は多かった花粉症の重症患者
舌下免疫療法を始めるなら、今

今年は多かった花粉症の重症患者
舌下免疫療法を始めるなら、今


 今年は花粉の飛散量が多く、例年より症状がひどくて苦労している患者さんが多く来院されました。 中には、今シーズン急に花粉症になったという患者さんもいました。 花粉症対策として、「舌下免疫療法」を始めるなら、そろそろ検討をしましょう。


 舌下免疫療法は、アレルギー疾患の原因となる抗原(アレルゲン)を飲み薬で少しずつ体の中に入れ、だんだんと慣れさせて症状を和らげていく治療法です。 薬を舌の下に投与し、ゆっくりと体内に吸収させます。アレルゲンに体を慣れさせていく治療法なので、3~5年間続けなければいけませんが、治療終了後は長期にわたって症状が抑えられ、 また、そのまま症状が治まる可能性も望める治療法として用いられています。

 「皮下免疫療法」といって抗原を注射で投与する方法もありますが、子どもや注射が苦手な人にはストレスになり、通院しなければ治療できません。 一方、舌下免疫療法は、病院で処方した薬を1日1回自分で投与し、通院は1カ月に1回程度。5歳以上なら投与でき、続けやすい治療法といえるでしょう。

 舌下免疫療法を用いるのは、スギ花粉症とダニアレルギーの2種類。どちらかでないと、効果は期待できません。治療を始める前に血液検査でアレルゲンを特定することが大切です。 アレルゲンがスギ花粉とダニ、両方の場合には、どちらの薬を用いるのか、また、一緒に治療を進められるかどうか、その人の症状に合わせた診断が必要です。


花粉の飛散が終わるころに始める治療


 花粉症なら、花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応が敏感になっています。花粉の飛散が終わる6月ごろが、舌下免疫療法を始めるのにちょうど良い時期。 来シーズンには治療効果を確かめることもできます。まずは、アレルギー専門医を受診して、アドバイスをもらいましょう。


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