リビング和歌山8月号

季節が変わっても要注意
秋の熱中症とかくれ脱水

季節が変わっても要注意
秋の熱中症とかくれ脱水


もうすぐ秋。今年の夏は猛烈な暑さが続きましたが、季節が変わって過ごしやすい日が少しずつ増えていきそうですね。 とはいえ、総務省消防庁によると、昨年の9月に熱中症で救急搬送された人は全国で4931人、死亡者も2人いました。 引き続き、暑さ対策を心掛けましょう。


 熱中症は、体内に熱がこもって体温が上昇することで生じます。通常なら、体温が上がると、汗の蒸発による「気化熱」と、 皮膚の表面から熱を空気中に逃す「熱放散」によって体温が調節されます。 しかし、気温や湿度が高い環境ではこの機能がうまく働かず、体内の水分や塩分が失われて体調不良に見舞われます。


 熱中症の主な症状は、チェックシートに書かれているように、目まい・立ちくらみ、吐き気、頭痛、倦怠(けんたい)感などがあります。 症状が進むと、意識障害を引き起こし、最悪のケースでは命を落とすことも。


水分を取り忘れ、気付かないうちに進行


 秋は夏に比べて暑さは和らぎますが、日によって暑かったり涼しかったり、一日の気温差が大きかったりします。 夏の疲れが残って体力が落ちている上に、秋特有の気候に適応できず、熱中症になる人がいます。 また、夏ほど汗をかかず、喉が乾かなくなるため、水分補給の意識が低下して、気付いたら脱水症になっていた”かくれ脱水”のケースも。かくれ脱水は 脱水症の前段階のようなもので、体内の水分が減っていても自覚症状がないため、特に注意が必要です。

 熱中症や脱水症の予防として、小まめに水分を取ることを心掛けて。一度にたくさん取るのではなく、少しずつ、回数を多くして摂取しましょう。 食事から取れる水分も含めて、1日に2㍑の摂取が目安です。

 熱中症の重症化を防ぐには、軽度のうちに適切な対処をすることが大切です。 「いつもと違う。何かおかしい」と感じたら、すぐに涼しい環境で体を休ませ、衣服を緩めて首や脇の下、足の付け根を冷やし、水分を取ってください。 水分と塩分を一緒に取れる経口補水液がおすすめです。応急処置をしても症状が改善されない場合は、医療機関で点滴などの治療を受けましょう。

 熱中症になりやすい人は、体温調節が未成熟な子どもや、暑さや喉の渇きを感じにくい高齢者など。熱中症患者の約半数は65歳以上の人なので、この世代は特に注意してください。

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