リビング和歌山9月号

風邪? コロナ? 実は花粉症!
秋特有のアレルギーを知って

風邪? コロナ? 実は花粉症!
秋特有のアレルギーを知って


「夏の終わりごろから秋になると、咳(せき)やくしゃみ、鼻水が出て困る」という人はいますか。 季節の変わり目は一日の気温差が大きくて体調を崩しやすく、免疫力が低下しがち。 風邪やコロナ、インフルエンザなどの感染に気を付けたいですね。


 この時期に、「鼻水が水っぽい」「目がかゆい」「発熱はないが、不調が長く続く」などの症状なら、花粉症の可能性もあります。 「秋に花粉症?」と思われるかもしれませんが、春のスギやヒノキのように、季節によって花粉症の原因となる植物は異なります。

 秋に花粉症を起こす草花で代表的なものに、イネ科のオオアワガエリやハルガヤ、カモガヤ、キク科のブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラが挙げられます。 主に8月から11月ごろに開花して花粉を飛ばしますが、イネ科は5月や6月にも飛散します。 田植えや稲刈りの時期に体に不調を感じる人はイネ科アレルギーを疑ってもよいでしょう。

 花粉症の原因となる秋の草花は雑草が多く、河川敷や草地、空き地などに生息します。 スギのように広い範囲に花粉が飛ばないので、アレルゲン(アレルギーの原因)となる植物の生息地に近づかなければ、ある程度予防できるでしょう。


ダニが原因のアレルギー性鼻炎も


 秋の草花の花粉はスギの花粉よりも粒子が細かいといわれ、肺にまで入り込むと咳が出やすくなり、ぜんそくが悪化することもあるので注意を。 また、花粉症以外でも、秋はダニが原因のアレルギー性鼻炎がひどくなる傾向があります。 これは夏に繁殖したダニの死骸が空気中に飛び散ることで、口から吸いこみやすくなるからです。

 アレルギー対策として、まずはアレルゲンを特定するために、アレルギー検査を受けましょう。 検査の結果、季節性の花粉症だと分かれば、薬で症状を抑える「対処療法」が行えます。 基本的には症状が出る前に対応した方がいいので、発症する前に薬を使って予防する「初期療法」を、来シーズンから取り入れてもいいでしょう。

 検査や治療は、アレルギー性疾患を専門的に診るアレルギー科をはじめ、内科や呼吸器内科、耳鼻咽喉科、眼科などで受けられます。 アレルギーの専門医がいる医療機関なら、複数のアレルギー疾患が合併していたり、アレルゲンの確定診断がつかなかったりするときも、生活環境要因を含めた総合的な診断で、一人一人に合った治療方法を提案できます。

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