リビング和歌山10月号

ウイルスの種類は200以上
上気道の炎症「風邪症候群」

ウイルスの種類は200以上
上気道の炎症「風邪症候群」


 朝晩の空気が冷たく、乾燥が気になる季節です。いつも以上に体調や生活習慣を整えて、風邪の予防に心掛けたいですね。 私たちがよく、”風邪”と口にしている病気ですが、正式には「風邪症候群」といいます。 咳(せき)やくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)や、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることで、体内にウイルスが入り込み、空気の通り道である上気道(口、鼻、喉)に炎症を起こします。 主な症状として、鼻水や喉の痛み、咳、発熱などがあり、最初の2~3日で症状のピークを迎え、1週間ほどで自然治癒する人がほとんどです。





 一般的には風邪症候群に特別な治療法はなく、免疫力を高めるため数日間安静にすることが一番です。 こじらせると下気道(気管、気管支、細気管支)まで炎症が進み、気管支炎や肺炎につながるケースもあるので、無理は禁物です。 医療機関では、症状を軽減するための対症療法として、炎症を改善する薬や解熱鎮痛剤を処方することもあります。

 風邪症候群のウイルスは200種類以上あり、感染したウイルスによって症状の特徴が異なります。ちなみに、200種類の中にはインフルエンザも含まれます。


 子どもで気を付けたいのが、RSウイルスやアデノウイルスです。RSウイルスは1歳未満でかかると下気道に感染しやすく、ぜんそくに移行することがあります。 また、アデノウイルス感染により、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎を発症すると、伝染の恐れがなくなるまで登校や登園が禁止されます。 お子さんが通っている幼稚園や保育園、学校で感染症がはやっているときは、家庭内の感染にも気を付けてください。


症状が治まらない時は他の病気を疑って


 風邪の症状が治まらなかったり、新型コロナウイルスなど他の病気の可能性があったりする場合は、血液検査、尿検査、抗原検査、PCR検査、レントゲン撮影などで原因を突き止めて、適切な治療に進みます。

 また、アレルギーが原因で、咳や鼻水など風邪と似た症状を引き起こすこともあります。咳が気になる場合は呼吸器内科やアレルギー科を受診するのもいいでしょう。

 日常のウイルス感染症対策として、うがいや手洗い、アルコール消毒を習慣にして、不特定多数の人が集まるところではマスクを着用すること。

インフルエンザなどワクチン接種で予防できるものは、感染が拡大する前に接種しておくといいですね。

このページを閉じる