リビング和歌山 2024年2月号

今年も例年より多い花粉飛散量
点鼻薬を使いこなそう!

今年も例年より多い花粉飛散量
点鼻薬を使いこなそう!


 近畿地方ではスギが開花し、すでに花粉が飛び始めています。これからピークを迎え、昨年ほどではないものの、花粉飛散量は、今年も例年に比べて多い傾向です。 これからの花粉症シーズンに点鼻薬を使用するとき、血管収縮薬の常用による薬剤性鼻炎に注意しましょう。

 花粉症治療のメインは飲み薬ですが、鼻づまりなどの症状には点鼻薬を使用します。花粉症治療の点鼻薬はステロイド、抗アレルギー薬、血管収縮薬の3種類。 中でも血管収縮薬は即効性があり、高い効果が期待できることから、市販の点鼻薬によく配合されています。 しかし、血管収縮薬を使い続けると、血管が硬くなって、鼻粘膜が腫れ、知らず知らずのうちに鼻の症状を悪化させてしまいます。 これを薬剤性鼻炎と呼び、症状が軽ければ自然に元に戻りますが、症状が重ければ治りにくく、他の薬も効きにくくなって厄介です。 鼻水や鼻づまりに、いつの間にか点鼻薬が効かなくなったと感じる人は、薬剤性鼻炎の疑いがあります。


花粉症治療には、ステロイド点鼻薬


 病院で花粉症治療に点鼻薬を処方するときは、ステロイドが第1選択。 敬遠されがちなステロイドですが、ある程度効果が期待でき、点鼻薬なら比較的副作用も少なく、使用できます。 ただし、血管収縮薬に比べて、毎日正しく使用しないと、効果を実感しにくく、「効果がない」と自己判断して、市販薬に戻してしまう人も少なくありません。 ステロイドを使うときは、1日1回、継続して使用することが大切です。 それでもステロイドが心配な人には、抗アレルギー薬がありますが、ほかの2種類に比べると効果が弱く、持続時間が短いため、1日に4回使う必要があります。

 血管収縮薬は、症状がひどいときだけ使用するなど、使い分けが重要です。毎年、花粉症で鼻の症状に悩む人は、血管収縮薬の常用を避け、この機会に点鼻薬を見直しましょう。専門医に相談を。

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