RSウイルスワクチンが承認
基礎疾患のある高齢者に!
RSウイルスワクチンが承認
基礎疾患のある高齢者に!
近年、新型コロナウイルスや帯状疱疹(ほうしん)など新しいワクチンの開発が進んでおり、昨年9月にもRSウイルスワクチンが承認され、今年1月から60歳以上の人を対象に接種できるようになりました。
RSウイルス感染は夏に流行し始めます。子どもに多い印象がありますが、高齢者がかかると肺炎を引き起こして重症化する可能性があります。 1歳未満の子どもの場合、呼吸困難につながる細気管支炎を合併しやすいことから、感染の有無を調べる検査が保険適用で認められています。 一方、1歳以上では治療方法もなく、一般の風邪と症状が変わらないことから、検査は保険適用外となります。 しかし、ぜんそくや心筋梗塞など、肺や心臓に基礎疾患がある高齢者が感染すると、肺炎になって入院するリスクが上昇。 さらに、そのまま死亡してしまう割合も高いことから、60歳以上を対象にRSウイルスワクチンが開発されました。
インフルエンザより肺炎を起こしやすい
RSウイルスに感染して入院する人は年間約6万3000人、そのうち死亡者は約4500人と推定されています。
また、ウイルス感染による肺炎で入院した人の割合を調べると、インフルエンザウイルスの感染者よりも肺炎になる人が多いことが報告されています。
ウイルス性の肺炎は、細菌性の肺炎に比べて頻度は少ないものの、治療方法がありません。
特徴的な症状もないので、気が付かないまま病状が悪化し、大きな病院に入院して検査を行って、初めて感染していたことが分かります。
承認されたRSウイルスワクチンは筋肉注射で、接種回数は1回。接種費用は約2万5000円(医療機関によって異なる)。副作用は注射部位の痛みなど。
60歳以上の感染抑制効果は82.6%、基礎疾患がある人に限ると94.6%となっていて、RSウイルスの感染リスクを5分の1に減らせる可能性があります。気になる人は、かかりつけ医まで相談を。