花粉症というと「スギ」や「ヒノキ」のイメージがありますが、中には〝イネ科″の花粉にも反応する人がいます。 イネ科花粉は5月ごろから飛び始め、6月に1回目のピークを迎えます。 その後、稲刈りが始まる9月ごろに再び飛散します。 また、イネ科花粉には田んぼに植えられているイネだけでなく、イネ科の雑草「カモガヤ」や「オオアワガエリ」などの花粉も含まれます。 「花粉症のシーズンが終わったのにまた症状が出てきた」「毎年5月ごろからアレルギー症状が出る」という人はイネ科花粉が原因かもしれません。
イネ科花粉は、スギやヒノキのように山から飛んでくるのではなく、近くの田んぼや雑草の多い河川敷や空き地などから飛散します。
そのため、家の近くに田んぼがある人や、山などによく出かける人は注意しましょう。
他にも、ウサギのエサやハムスターの床材などにもイネ科植物が含まれていることがあるので、気付かないうちに接触している可能性もあります。
他の花粉症と同様に、鼻水や鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が出ます。
治療は抗アレルギー薬を服用し、必要なら点鼻薬や点眼を使用。
農業などで回避できない人は、マスクの装着や早めの治療が大切です。
スギ花粉やヒノキ花粉の飛散時期以外に症状が出る場合は、自分が何に反応しているのか、一度アレルギーの検査を受けてみるのも良いでしょう。
また、花粉症の時期ではないのに鼻水やせきが出ると、風邪が原因と思う人もいるかもしれません。
熱が出る時は基本的に感染症の可能性がありますが、症状が長引いたり、毎年同じ時期に繰り返す場合は花粉症を疑いましょう。
イネ科花粉に含まれるたんぱく質は、果物や植物に含まれるたんぱく質と構造が似ているので、〝交差反応″によりアレルギーを起こす食べ物が多くあります。
スギ花粉の場合はトマトだけですが、イネ科花粉ではメロンやスイカ、オレンジ、キウイの他、
食卓によく並ぶタマネギやジャガイモにも反応することが報告されています(上記表参照)。
鼻水などのアレルギー症状で悩んでいる人は、かかりつけ医に相談してみて。