昨年まで満65歳と満70歳の人だけが対象だった「帯状疱疹ワクチン」が、今年度から〝定期接種″に変更。
対象年齢が広がり、多くの人が補助を受けられるようになりました。
帯状疱疹は後遺症が残ることがあり、水ぼうそうに感染経験のある大人は注意が必要です。
定期接種の対象は、今年4月1日~2026年3月31日の間に誕生日を迎える65・70・75・80・85・90・95・100歳の人と、
ヒト免疫不全ウイルスに感染し、免疫機能に障害のある60~65歳の人。
さらに、100歳以上の人は今年度に限り対象となります。
帯状疱疹は、子どものに感染した水ぼうそうが原因で起こる皮膚の病気。 水ぼうそうウイルスは風邪やコロナウイルスと異なり、症状が治まっても完全に排除されず、体内(神経節)に潜伏し続けます。 疲労やストレスから免疫力が下がると再活性して発症し、主な症状は水ぶくれを伴う発疹で、胸や腕、背中など神経に沿って帯状に現れます。 ウイルスによって神経が損傷されるので、治療が遅れると皮膚の症状が治った後も、ピリピリした痛みが数週間、または数カ月続くことがあります。 神経節は全身にあるので、どこにでも発疹が出る可能性があります。 喉の中にできると見えにくく、飲み込みにくさで気付くことも。 また、目の周りにできると失明する恐れもあり、発症部位によりさまざまな後遺症を引き起こします。
以前は一度かかると再発しないといわれていましたが、今は再発例も多く、中には5年おきに発症する人も。
治療は早期の抗ウイルス薬の服用が必要で、高齢者や免疫力が低い人は病状の進行に治療が追い付かず、後遺症が残ることがあるのでワクチン接種で予防することが大切です。
帯状疱疹ワクチンは〝生ワクチン″と〝組み換えワクチン″の2種類があり、どちらも補助の対象(左上参照)。
組み換えワクチンは自己負担が大きいものの、高い効果が特徴です。
生ワクチンは1年で効果が約6割落ちる一方、組み換えワクチンは10年後も7割程度の効果が報告されています。
発売から10年しかたっていないので、さらに長期間の効果が期待されます。
各ワクチンで接種条件や副反応の発現割合が異なるので、特徴を理解した上でかかりつけ医に相談を。